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先日、不幸にして、マゼール=ニューヨークフィルを聴いてしまいました。 (11月11日(土) オペラシティ) 不幸にして?然り。 ショスタコーヴィチ「交響曲5番」は、もともと、苦手な曲なので、コメントする資格がありません。きっと名演奏だったのでしょう。というか、あの演奏を聴いてもやっぱり苦手なのだから、私はこの曲が、この作曲家が、本当に苦手なのだ。(えらい人だと思うけど。「ジャズ組曲」は好き) 幕開きのヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り」 アンコールに ドボルザーク「スラブ舞曲」 ビゼー「アルルの女のファランドール」 3曲とも、ゴージャスで大きな音が鳴ったものです。3曲とも見事に豊麗な同じ音色で、最高のドルビーシステムを備えた映画館でハリウッド映画に身を浸すような豪華な味わいがありました。ドボルザークは華やかなサーカスみたいで、ビゼーは強力無比の進軍のようで。 しかし、私は、全く不幸せだった。音が豊かに大きく鳴るほどに、そこに違和感がある。あまりにもミリ単位で合っているので、不可避的なずれが生じるとき、それが気になって仕方がない。いつのまにか、減点法で演奏を採点している自分がいる。たとえば買収相手の企業のあら探しをするような視点で。 あんなに大きな音がしなくてもいい。 あんなにピッタリ合ってなくてもいい。 誤解のないように。 コンサートは大成功でした。聴衆は、新生銀行のご招待が多かったみたいですけど、大熱狂。客観的にいって、たいした演奏だった。 私はマゼールを尊敬してます。録音より実演のひとで、大変な才能だと思う。 なぜか「ゲテモノ」向き?のところがあって、「幻想交響曲」とか、深淵をのぞき込むような思いをしたことがある。 ニューヨークフィルも立派です。本当に名手揃い。 家にかえって、大好きなビデオを取り出しました。 #ダニーケイとニューヨークフィルの夕べ ・・いやあ、やっぱりいいオケだ! なぜ自分が、あれほどの大演奏に、あれほどの拒絶反応を示したのか? 高校生の頃の自分なら、熱狂して興奮しただろうに。 その答えは、たとえば、ニューヨークフィルの直後に聴いた # 有希・マヌエラ・ヤンケのリサイタル にあるかもしれません。 要するに、私は「ヨーロッパの音楽」が好きなんです。 ニューヨークフィルは、やはり21世紀のアメリカを代表するオケでした。その演奏は完璧なまでに21世紀アメリカ文化を伝える、見事なものでした。 演奏が雄弁であるほどに、生理的に私に合わなかったのだと思っています。
by Cosi-Ferrando
| 2006-12-05 12:33
| コンサート
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